図書館所蔵資料、外部展示(日野市郷土資料館)

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日野市立新選組のふるさと歴史館 日野市郷土資料館では、平成27年度特別展「ほどくぼ小僧 勝五郎生まれ変わり物語 ―勝五郎生誕200年記念展―」(会期:919日~1115日、会場:日野市立新選組のふるさと歴史館)を開催しています。

 今から約200年前、多摩郡中野村(八王子市東中野)の8歳の少年勝五郎は、「自分の前世は程久保村(日野市程久保)の藤蔵だった。」と語り、人びとを驚かせたそうです。
 勝五郎は「ほどくぼ小僧」と呼ばれ、国学者の平田篤胤や、文人大名の池田冠山が聞き取りをもとに詳細な記録をして江戸から京の都にまで広まります。
 またこの内容は小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の著作にも記載され、生まれ変わり物語の最古の詳細な記録のある事例として、世界に紹介されました。

 

佐佐木高行旧蔵『珍説集記』展示 八雲が執筆の際に資料としたのが、本特別展で展示されている國學院大學図書館所蔵の『珍説集記』(佐佐木高行旧蔵図書)で、この本で勝五郎のことを知り、Gleanings in Buddha-Fields1897、『仏の畠の落穂』)の第10章‘Rebirth of Katsugoro’(「勝五郎の転生」)で紹介。この英語版で世界中に知られることになり、その同時代の正確な記録から「胎内記憶研究」にも活用されることになります。

 

佐佐木高行旧蔵『珍説集記』 今年は生まれ変わり物語の主人公である勝五郎の生誕200年という節目の年であり、またこの特別展を企画・担当した日野市の郷土研究会「勝五郎生まれ変わり物語探求調査団」の発足10年目に当たるそうです。この10年間の調査研究で得られた様々な成果と新発見の資料を展示しており、興味深い内容になっています。

 生まれ変わりの事例には疑問を持っても、丁寧な調査結果から多くの事例が結びつき、調査の広がりを感じることも、この特別展の醍醐味でしょう。
 郷土の研究が、国学者や文人大名の活動にまで広がり、ひいては小泉八雲研究や世界的拡散までもフィールドの広がりを見せます。小さな事例が一国や世界の潮流を感じることも、郷土研究の面白みです。
 様々な視点で展示会に足を運んでは如何でしょうか。

 

 

佐佐木高行(18301910

佐佐木高行侯爵 1884年撮影土佐藩士、政治家、侯爵。
皇典講究所副総裁、國學院院長・國學院大學学長

板垣退助、後藤象二郎、そして佐佐木の三人で「土佐三伯」と称されます。
土佐藩の藩政に関わり、坂本龍馬・後藤象二郎らと大政奉還の建白について協議しました。
戊辰戦争時には海兵隊を率いて長崎奉行所の接収にあたります。
維新後に新政府に入り、長崎裁判所助役、天草富岡知県事、刑法官副事、刑部大輔、参議などを歴任、また浦上基督教徒事件処理にも関わります。
明治41871)年の岩倉遣外使節団の一員として司法制度を調査。
征韓論をめぐる政府分裂後も政府側にとどまり、士族反乱時には高知の反政府気運の鎮撫につとめました。
明治141881)年政変後の人事異動で、参議兼工部卿に就任。
明治181885)年内閣制制定とともに閣外に去り、宮中顧問官、枢密顧問官を歴任。
明治天皇より厚い信頼を受け、皇族の御養育掛も担います。
明治291896)年6月から明治431910)年3月には皇典講究所所長、國學院院長・國學院大學学長。
明治431910)年3月に皇典講究所副総裁。

佐佐木家旧蔵書(國學院大學図書館所蔵)

 蔵書家でもあった佐佐木高行の旧蔵書を中心とする佐佐木家三代の蔵書。写本・刊本の書籍のほか、佐佐木高行が所持した公文書類など幕末から明治期の貴重な史料が含まれています。
 大正81919)年に國學院大學図書館に寄託。平成182006)年に國學院大學図書館に寄贈され、これを機に『佐佐木高行家旧蔵書目録』(平成203月)が刊行されました。 

撮影・取材