講演「祭礼と仮装風流」

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 本日、午後3時から渋谷キャンパス1号館で、國學院大學博物館が主催した講演「祭礼と仮装風流」が開催され、会場となった1103教室には100人を超える聴講者が集まりました。

熱心に聞く聴講者

 近年は、若者を中心に熱狂的なイベントとなっているハロウィンの仮装。特に本学がある渋谷が全国でも有名で、10月末になると渋谷駅周辺で仮装をした大学生やビジネスパーソンを多く見かけることがあります。ハロウィンはここ数年の流行ですが、実は日本人の仮装文化は意外と古く、江戸時代には「俄(にわか)」と呼ばれる仮装があったそうで、本日は学外から2人のゲスト講師をお呼びしての講演となりました。

福原氏による講演の様子

 前半は、武蔵大学教授の福原敏男氏が「大坂臨時祭の俄」と題し講演を行いました。中世頃には既に出し物や行列などで仮装が見られたそうですが、それが「俄」に変化していったそうです。「俄」は特に大都市圏で行われることが多く、神社の臨時祭礼・砂持・正遷宮などの時に合わせて行われ、庶民の娯楽的要素が強く、正式な神事ではない付随的なものだったと福原氏は解説しました。その上で本日は安政3年(1856年)に行われた大坂・三神社合同俄祭りに焦点をあて、当時の瓦版から行列のコスプレ衣装を紹介。衣装から読み解くことができる「俄」の目的やポリシーなどを詳しく説明しました。

西岡氏による講演の様子 後半は、大阪芸術大学教授の西岡陽子氏が「祭礼における俄」と題し講演を行いました。この講演では、江戸から明治に移る過程で「俄」がどのように変化していったのかを解説。また、今でも地域の文化として残っている滋賀県や岐阜県の事例を挙げ、「俄」の代表的な構成や、保存の取り組みなども紹介されました。岐阜県の美濃市では、俄のコンテストがあるそうで、その一部門の「口上(こうじょう)」では参加者が文句の中に敢えて市長の悪口などを盛り込む事が多く、これは御上への不満など普段のうっ憤を晴らすために俄の口上を利用していた当時の文化が残っているためということです。

 当時の個性的な仮装の絵や、コミカルな即興の映像が披露されると会場からは笑いが起こり、「俄」をテーマにした講演会らしく笑い声が絶えない和やかな講演会となりました。なお、この講演会は現在同博物館で行われている特集展示『祭礼と仮装(コスプレ)』の関連企画として行われたものです。特集展示は明日(12月10日)が最終日ですのでご興味のある方はぜひ國學院大學博物館までお越しください。

イベント(学外者開放型)