文学部国際シンポジウム

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 午後1時から、常磐松ホールでは、創立130周年記念事業の1つである文学部国際シンポジウム「アジアにおける日本研究の現在」が行われ、3名の外国人研究者が講演しました。

李氏の講演 最初の講演は、韓国・東義大學校人文大學教授の李姸淑氏の「鄕歌と『萬葉集』作品の愛情の歌」。

 新羅時代の 鄕歌と、『萬葉集』の各作品は、ほぼ同じ時代に、東アジア文化を基にして作られた古代詩歌という共通性がありますが、両者における愛情の三角関係を主題とした歌を比較ぶんせきすることで、日韓の古代文学の共通性と異質性、そしてその異質性を通した両国の文化の特性について述べていました。

ファン氏の講演

 続いては、ベトナム・ハノイ国家大学人文社会科学大学主任講師のファン・ハイ・リン(潘海玲)氏による「お歯黒の事例からみたベトナムと日本の文化比較」。

 アジアだけでなく、アフリカおよび中南米においても広く普及しているお歯黒(鉄漿)という習慣について、現在ではすたれてしまった日本と、今もその習慣が残るベトナムとを比較し、両国のお歯黒についてまとめ、日越の習慣を比較するとともに、各国におけるこの習慣の起源、類似点と独自性を分析するものでした。

 ジョージ氏の講演
 ジョージ氏の講演

ジョージ氏の講演

 最後は、インド・ネルー大学教授のP・A・ジョージ氏の「宮澤賢治とキリスト教者との交流:作品中のキリスト教的モチーフを中心に」。

 宮座賢治の作品の中に垣間見えるキリスト教的な雰囲気の漂う場面について、賢治のような信心深い仏教徒が、なぜ異宗教であるキリスト教の要素を自身の創作の中に盛り込んだのか、賢治に確かにあったと考えられるキリスト教の直接的・間接的影響の源を考え、作品中のキリスト教的モチーフや思想・世界観を分析した内容でした。
 3名とも流暢な日本語で講演され、その内容の独自性ともども、非常に興味深い内容のシンポジウムでした。

イベント(学外者開放型)