「森敦研究会」山形・庄内平野調査報告

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「森敦研究会」山形・庄内平野調査報告 本学文学部の井上明芳准教授による平成28年度科学研究費助成事業「自筆資料調査および実地踏査による森敦文学の総合的研究」(研究課題名:基盤研究(C)課題番号:16K02417)は、「森敦研究会」を立ち上げ、8月21日から4日間にわたり、森敦文学の舞台、庄内平野の調査を実施しました。本日その報告が大学に届きました。
 森敦の晩年の大作『われ逝くもののごとく』は庄内平野全域を舞台としています。その描写に基づいて、研究会で実際に現地を訪れました。

「森敦研究会」山形・庄内平野調査報告 作中印象的な十王峠は、森敦が芥川賞を受賞した「月山」でも重要な役割をしています。鶴岡市七五三掛(しめかけ)地区と庄内平野を分かつ境界となっており、森敦文学の重要な文学理論「意味の変容」の実現が、地形としても現れていることを実感できる峠です。
 十王峠から大網・七五三掛地区を臨む。写真奥に写る月山ダムは、森敦が滞在していた昭和20年半ばにはまだありませんでした。

「森敦研究会」山形・庄内平野調査報告 『われ逝くもののごとく』の舞台としては最北になる吹浦(ふくら)です。鳥海山の眺海の森から吹浦方面を臨む。眺海の森には森敦『鳥海山』文学碑があります。

「森敦研究会」山形・庄内平野調査報告 『われ逝くもののごとく』は鶴岡市加茂地区を出発点に語られる物語で、庄内平野へ抜ける加茂トンネルは、即身成仏で有名な鉄門海上人が穿ったとされています。現在は封鎖されています。

「森敦研究会」山形・庄内平野調査報告 こうした実地踏査の結果は『われ逝くもののごとく』の〈風景〉の現実的な側面を明らかにしています。実際に現地を訪れることで、作品の一文一文が実感されます。

「森敦研究会」山形・庄内平野調査報告 同時に小説の虚構の側面を、実際の森敦の自筆原稿の翻刻によって追究しています。

「森敦研究会」山形・庄内平野調査報告 自筆原稿はたいへん貴重なため、デジタル撮影を行い、それを使用して一枚ずつ翻刻しています。

「森敦研究会」山形・庄内平野調査報告 森敦研究会では、これまでの研究の成果を発表する機会として、12月17日(土)に研究会を開催する予定です。学部生、院生のアクティブ・ラーニングによる研究成果報告のほか、森富子氏をはじめ、森敦研究者をお招きして、さまざまな角度から森敦文学の可能性について、思索できればと考えております。

 研究会のご来場、お待ちしております。

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