2016年09月17日(土)の記事一覧
特集展示「生誕130年記念「折口信夫と『死者の書』」」関連イベント
折口信夫博士の命日9月3日の「迢空忌」からはじまった國學院大學博物館の特集展示、生誕130年記念「折口信夫と『死者の書』」ですが、本日は関連イベントが目白押しでした。
ミュージアムトークⅡ 小川直之先生「折口信夫と『死者の書』―学問と創作―」
先週の院友漫画家の近藤ようこさんのミュージアムトークに引き続き、本日は文学部教授で折口博士記念古代研究所所長の小川直之先生によるミュージアムトークでした。
午後1時から國學院大學博物館ホールで開催されたミュージアムトークは、150人余りの大入りでした。
「折口信夫と『死者の書』―学問と創作―」と題されたミュージアムトークは、羽咋市で斎行される迢空・春洋忌について触れた後、『死者の書』の背景そして発表・出版を説明し、本題でもある『死者の書』の内容について解説がありました。
多くの論点が紹介された中で、民俗学・上代文学の研究者でもある折口博士が、この作品で何故仏教的要素を取り入れたのか等、興味深い解説が続きました。
長編アニメーション映画「死者の書」上映会
午後2時からは、学術メディアセンター1階の常磐松ホールで、長編アニメーション映画「死者の書」(川本喜八郎監督、平成17年桜映画社製作)の上映会が開催されました。
当映画は人形劇監督川本喜八郎氏の遺作でもあり、数々の受賞歴もあり、今でも人気を博しています。
補助椅子まで準備した常磐松ホールは、300人を優に超える大入りで、来場者は人形アニメーションが醸し出す「死者の書」の世界に魅了されていました。
辰巳正明講演会「死者の書―天上楽土への道案内―」
映画上映会終了後、同じ常磐松ホールでは午後3時30分から、本学名誉教授の辰巳正明先生による講演会 「死者の書―天上楽土への道案内―」が開催されました。
辰巳先生からは、「死者の書」とは何か?、折口信夫の「死者の書」とは何か?、死者は何処へ、どのように帰るのか?、古代日本に「死者の書」は存在したのか?これらについて説明しながら、折口博士の最後の作品とも言える『死者の書』について解説しました。
古代エジプト・チベット・中国少数民族苗族の『死者の書』の話、そして古代日本に「死者の書」の有無に触れながら、天孫降臨、二上山、神武東征を紹介しました。
興味深い展開に傾聴していた約250人の参加者から熱い拍手が送られ、講演は終了となりました。
映画上映会そして講演会の前後には、常磐松ホール前で國學院大學生協による関係書籍販売。そして映画「死者の書」製作会社の桜映画社が「死者の書」のパンフレット販売をしており、こちらも盛況でした。
折口博士の古書や近藤ようこさんの漫画、そして今回の特集展示に合わせて製作した『死者の書』初出誌自装本の複製本も販売されていました。
また特集展示を開催している國學院大學博物館は、本日の催しの後閉館間際まで観覧者が絶えませんでした。
特集展示「生誕130年記念「折口信夫と『死者の書』」」関連イベントは、まだ続きます。
下のURLで内容をご確認の上、ご参加ください。お待ちしております。