2016年07月02日(土)の記事一覧
平成28年度 第1回渋谷学研究会 現代社会と民俗学
平成28年度 第1回渋谷学研究会「現代社会と民俗学」が本日午後1時30分から学術メディアセンター5階会議室06で行われました。この研究会は、.國學院大學21世紀研究教育計画委員会研究事業「地域・渋谷から発信する共存社会の構築」の一環として開催されたものです。
今回の研究会は、テーマの「現代社会と民俗学」にそって3人研究者が発題をしました。飯倉義之文学部准教授は「現代都市社会のコミュニケーションと「陰謀論」的思考」をテーマに現代都市社会とりわけインターネットを通じた「憑き物持ち俗信」について講演しました。続いて、八木橋伸浩玉川大学教授が「「都市」と民俗学」と題して、岩崎真幸みちのく民俗文化研究所代表が「民俗のもつ力―東日本大震災を経験して―」と題してそれぞれ公演を行いました。
それらを受けて、小川直之文学部教授、新谷尚紀文学部教授がコメント。会場の来聴者からも活発に質問がなされ、討議が繰り広げられていました。
企画展 「古文書で〈つなぐ〉江戸時代」ミュージアムトーク
本日午後2時から、渋谷キャンパス國學院博物館で、開催中の企画展「古文書で〈つなぐ〉江戸時代」のミュージアムトークが行われました。今回は根岸茂夫文学部教授が「江戸時代を支える民衆」と題して解説し、100人を超える来場者が訪れました。
日本近世史(政治史・武家社会史・農村史など)が専門の根岸教授は、「江戸時代は古文書が多くなった時代で、庶民史料が中心である」と話します。これは都市にいる武士が農村の百姓に文書で命令を伝達する「文書による政治」が行われ、受け手である民衆の識字能力が高まったことが原因です。
また、年貢の問題が起こっても、証拠となる文書を保存したといいます。「文書が人々の生活・生業・権利を保証するものとなり、社会・産業・文化を発展させる基礎にもなった」と根岸教授は解説しました。
また企画展には展示されていない古文書を特別に提示しながらの説明も行われました。
講演終了後、熱心な歴史ファンの来場者は古文書に見入り、研究員に質問をするなどにぎわいをみせました。
企画展は7月16日(土)まで開催されます。
「粋な人」とは? 岩下客員教授が講演
たまプラーザキャンパス(横浜市青葉区)で、岩下尚史氏(作家・國學院大學客員教授)が講演を行い、約300人の市民が参加しました。講演は神奈川県内にキャンパスを置く大学が多数参加する「かながわ大学生涯学習推進協議会」が、県民の主体的な学習活動をサポートする目的で毎年開催している生涯学習フェアの記念講演として行われました。
午前10時半から始まった講演テーマは『「粋な人」とは?〜東都の文芸に学ぶ〜』。着物姿の出で立ちで登場した岩下尚史氏は、その独特な柔らかい口調に鋭いコメントを挟むなど、会場の笑いを誘いながら約90分にわたって話をしました。講演中は自身の花柳界でのエピソードを織り交ぜつつ、「歌舞伎や和服など多くのものが、今は生活から離れた商品になってしまい、なんとなく日本的なものに統一された」と時の変化を分析。その上で、「目の前にいる人の気持ちを察して、足らぬことのないよう振る舞う対応の仕方は今も昔も変わらない。そうした心持ちを粋としたい」と語っていました。
本日開催された生涯学習フェアは全2日間の予定です。明日は矢部健太郎本学文学部教授が公開講座『豊臣政権と「秀次事件」〜秀吉は秀次を殺したのか〜』が午後1時から同会場で行われる予定です。